発酵食品は、食品を発酵させることによって生まれる食品であり、古くから世界中で広く消費されてきました。
発酵は、微生物が食品の中で繁殖することによって、食品の味・香り・栄養価を変化させます。
この過程は、食品の保存期間を延ばすだけでなく、消化を促進する効果や、有害物質を減らす効果もあるんです。
発酵食品は、古くからの知恵を生かした、文化的にも豊かな食品と言えます。
今回は、発酵食品の中でも最強と言われる『味噌汁』について、その魅力に迫りたいと思います。
はじめに
『味噌汁』にはまず、
1.栄養価がかなり高い
2.消化に良い
3.カロリーが低い
4.美味しい
5.体を温める効果がある
6.腸内環境を整える
7.特定のガンのリスクを低減する
8.血圧を下げる
9.2型糖尿病を予防してくれる
10.脳を健康にしてくれる
11.免疫システムを強化する
12.ビタミン、ミネラル、アミノ酸、有益な植物性化合物が含まれている
など信じられないくらいに、たくさんの健康効果を私たちにもたらしてくれます。
ですので『味噌汁』を食べていない人は非常にもったいない状況だと思います。
是非、今回の記事で『味噌汁』の魅力に気づき、少しずつ日常生活に取り入れていけば、間違いなく今よりも健康になることができるはずです。
味噌󠄀パワー
さて、皆さんは『味噌』を料理に使う習慣はあるでしょうか？
あるいは『味噌汁』を定期的に飲む習慣はあるでしょうか？
この記事を見ている人の中で、『味噌』をこれまであまり摂取して来なかったなぁという人は、日本人として非常にもったいない状況ですから、今後もう少し『味噌󠄀』を見直して頂きたいと思うんです。
━━日本独自の発酵食品として注目される『味噌󠄀』とは、1300年もの長い間、日本人の食生活を支えてきた伝統食品であり、今では西洋でも健康的な食品として人気を集めています。
実際、『味噌󠄀』や日本の食卓に並ぶ『味噌汁』は、驚くほど栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・有益な植物性化合物が豊富に含まれています。
特にナトリウム・マンガン・ビタミンK・銅・亜鉛などが豊富です。
そんな味噌の材料は、
「大豆・塩・麹」
たったこれだけなんです。
味噌󠄀は、大豆と食塩を混ぜ合わせ、酵母や細菌など微生物の力によって、発酵・熟成させたもので、日本が誇る代表的な発酵食品なのです。
まず、一番有名な発酵食品の健康効果はというと、
ズバリ「腸」を健康にしてくれることでしょう。
なぜ発酵食品が腸活に役立つのかというと、発酵食品の中には、味噌󠄀や納豆、甘酒のように善玉菌が豊富に含まれているものがあり、腸内環境を整える効果を期待できるからなんです。
大豆を発酵させて作られた『味噌󠄀』は、必須アミノ酸を豊富に含んでいるため、素晴らしいタンパク質の供給源となります。
タンパク質が不足してしまうと、カラダに様々なトラブルが起こってしまうことが分かっていますので、そんな時は『味噌󠄀』を食べることで、タンパク質を補給してあげることが出来ます。
また『味噌󠄀』は、体が食べ物を消化・吸収する能力を向上させてくれています。
研究によると、『味噌󠄀』に含まれる有益な微生物は、炎症性腸疾患などの消化器経歴の問題に関連する症状を軽減するのに役立つ可能性があるということが分かっています。
消化器系のトラブルに悩まされている人は『味噌󠄀』を食べると、改善する可能性がありますから、試してみる価値は十分にあると思います。
また、味噌は免疫にとっても非常に重要なのです。
味噌には免疫システムを最適に機能することを助けてくれる栄養素が豊富に含まれているからです。
たとえば、研究によると、味噌に含まれる有益な微生物は腸内細菌叢（腸内フローラ）を強化し、免疫力を高め、有害な細菌の増殖を抑えるのに役立つことが分かっているそうです。
さて、いかがでしょうか。
このように見ていると、改めて『味噌』のパワーって「凄い」と実感させられますよね。
昔ながらの日本食には、必ずといっていいほど『味噌汁』がありましたが、今では食生活が多様化し、「昔ながらの日本食を食べています」という人は結構少なくなったのではないでしょうか。
その結果、『味噌汁』を定期的に飲んでる人が少なくなっているのではないかと心配しているわけなんです。
皆さんには改めて『味噌汁』のパワーを認識していただき、積極的に『味噌汁』を健康のために活用していただきたいと思っています。
長々と『味噌󠄀』のメリットについて語ってしまいましたが、これだけ言えば『味噌󠄀』がどれだけ素晴らしいものなのかを、理解していただけたかと思います。
味噌󠄀の選び方
『味噌汁』を定期的に飲むのがめんどくさい、作るのなんてもっとめんどくさい、という人は、ぜひ『味噌󠄀』を積極的に「調味料」として使ってみてはいかがかと思います。
たとえば、野菜炒めを作る時に『味噌󠄀』を入れて味噌󠄀炒めにしてみるなどすれば、調味料としてカラダに摂取していただけるので、めんどくさいことではないと思います。
さて、『味噌󠄀』の上手な選び方についてもお伝えしておきたいと思います。
この記事を見て、「よし、味噌󠄀を買ってこよう」と思って、スーパーの味噌󠄀を売ってるコーナーに行った時、あまりにもたくさんの種類が売っていて、どれを買えばいいのか迷ってしまう人が多いかと思います。
しかも値段も全部バラバラなんです。
どれ？
まず注意して欲しいのは、食品添加物が添加された味噌󠄀は買わないでいただきたいという事です。
先述したように、『味噌󠄀』の材料は本来、
「大豆・塩・麹」
たったこれだけ。
非常にシンプルなんです。
しかし、伝統的な作り方をするとコストがかかってしまう、などといった作る側の理由によって、食品添加物が添加された味噌󠄀が結構存在しているというのが現実なんです。
ですから、味噌󠄀を買う時は、うしろの成分表示を見て、出来るだけ原材料がシンプルなものをチョイスするようにすればよいでしょう。
訳の分からないカタカナの添加物が入っているものは、極力選ばないようにしましょう。
そしてもうひとつポイントがあります。
減塩や塩分ひかえめなどと書かれたものを選ばないということ。
塩分を控えめにすると、腐りやすくなってしまうため、防腐剤を使用したりなど、塩を減らすことによって味が低下するのを防ぐために、ph調整剤や化学調味料などを使用する必要があるからです。
・まずは食品添加物が入っているものは買わない。
・そして塩分控えめと書いてあるものは買わない。
ということを覚えておいていただきたいと思います。
そして、もっと理想を言えば、「自然発酵」や「天然醸造」と書かれている味噌󠄀がベストなんです。
特に値段が安めの味噌󠄀の中には、短期間で大量生産されたものが結構あります。
これらの味噌󠄀は熱を加えて、強制的に発酵させるため「酵母・乳酸菌」など、味噌󠄀に本来含まれるはずの良い成分が死滅しやすく、風味や栄養が十分に残らないのです。
一方で、昔ながらの製法である自然発酵や天然醸造といった製法は、ゆっくりと時間と手間をかけて作られているため、味噌󠄀本来の風味や、発酵食品ならではの豊富な栄養がたっぷりと詰まった味噌󠄀が出来上がるというわけなんです。
自然発酵や天然醸造のものであっても、そこまで無茶苦茶に高いわけではありませんので、理想を言えば、こういったものをチョイスしていただきたいと思います。
それでは、今までの流れをまとめておきましょうか。
ポイント1.日本独自の発酵食品として注目される味噌󠄀は、信じられないほど栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、有益な植物性化合物が含まれている。特にナトリウム、マンガン、ビタミンK、銅、亜鉛等が豊富であり、私たちに様々な健康効果をもたらしてくれる。
ポイント2.味噌󠄀には次のようなメリットがある。
・腸内環境を整える素晴らしいタンパク質の供給源である
・消化吸収する能力が向上する・免疫システムを強化する
・特定のガンのリスクを軽減する
・コレステロール値、血圧を下げる
・2型糖尿病を予防する
・脳を健康にしてくれる
ポイント3.味噌󠄀の上手な選び方は、食品添加物が入っているもの、塩分控えめと書かれているものを買わずに、自然発酵や天然醸造と書かれたものを買うことである
まずは一日一回、自然発酵or天然醸造の味噌󠄀をカラダに入れることを目標に。
味噌汁は奇跡のスーパーフード
「味噌汁は朝の毒消し」
「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」
「味噌汁一杯三里の血から」
…..などなど、味噌󠄀と健康にまつわることわざが多いのも、昔の人は味噌󠄀がカラダに良いことが分かっていたからなんでしょう。
それなのに今や、味噌󠄀の消費量は年々減り、40年前の約半分ほどまでに落ち込んでいるんです。
「塩分の取り過ぎ」がとかく問題視されるばかりに、味噌汁も悪者扱いされがちなんです。
それが消費量減少の一因になっているようです。
確かに塩分の割合は、決して少なくない味噌󠄀なんですが、余計な塩分を体内にため込ませないという科学的にもちゃんと説明のつくマジックがきちんと隠されているのです。
まず味噌󠄀に含まれる大豆です。
そして味噌汁に入れる豆腐や野菜、わかめなどの海藻類。
これらには「カリウム」というミネラルが豊富に含まれています。
このカリウムには体内の余分な塩分（ナトリウム）が尿とともに体外に排泄されるのを促す働きがあります。
このような具材がたくさん入った味噌汁なら、味噌󠄀の塩分もうまい具合に体外に排出されてしまうので、仮に塩分摂りすぎになっていたとしても、心配無用というわけなんです。
昔の人たちは、こういったことを感覚で理解されていたのでしょうか。
「エビデンス、エビデンス」と口うるさくなった現代の方が、いろんなものを見失っている気がしてなりません。
ことわざにもなっている位なんですから、味噌󠄀の塩分は、このように体外に排出される仕組みがあるということを理解していて欲しいと思います。
━━味噌󠄀は醤油と並ぶ日本の民族食を代表する逸品です。
ぜひとも『味噌汁』を一日一回は食することをおすすめします。
手前味噌は存続の危機!?
今では本物の味噌󠄀が手に入りにくくなっています。
慣用句で使う「手前味噌」とは、自分や自分の家のことをほめることですよね。
自分の家で造った味噌󠄀の味を自慢することからできた言葉なんです。
かつては、それぞれの家庭にそれぞれの味噌󠄀がありました。
昔は「味噌󠄀は手造り」が当たり前だったのです。
昭和のはじめ頃までは、一般的な味噌󠄀の熟成期間は1年から3年程度でした。
しかし戦後は、伝統製法による味噌󠄀にとって代わって、効率最優先の製法で造られる「速醸味噌󠄀」が、一般的な味噌󠄀となってしまいました。
速醸味噌󠄀とは、加熱してムリに麹の働きを活発にし、本来なら1年かかる熟成時間を、わずか20日くらいに短縮して味噌󠄀を造る手法です。
この速醸味噌󠄀には、殺菌や長期保存、変質変色防止や風味づけのために、たくさんの種類の化学合成された添加物が使われています。
塩化アルミニウムのような軽金属ですら、つい最近まで添加を許されていました。（さすがは経済大国「金属を食べる民族は他にいないでしょう」と世界から笑われた事実があります）
こうして、世界に誇る伝統食である『味噌󠄀』は、今や全く別のものに変わってしまいました。
遅ればせながらも「生殖系及び神経伝達に影響を与える」という理由で、近年、アルミニウムの味噌󠄀への添加は禁止されましたが、それでもまだまだ、多種多様の添加物が使われている味噌󠄀は、「天然の保存食」として古来重宝されてきた昔の味噌󠄀とは、似て非なるものであることには変わりありません。
ですから、スーパーなどの市場を見渡すと、そこにあるほとんどの味噌󠄀が「速醸味噌󠄀」と明記されていなくても、速醸味噌󠄀の製法で造られています。
風味不足を人工的な添加物で補い、変色・変質を防ぐための殺菌効果で、生きた酵母も含まれていません。
「無添加味噌󠄀」は、なんとなく伝統的製法による味噌󠄀のように思われますが、食品添加物を使用していなければ、たとえ速醸味噌󠄀であってもそう表示されています。
一方で「生味噌」という表記があれば、それは調整処理されていない酵母が生きている味噌󠄀です。
昔ならではの方法の長期熟成味噌󠄀は「天然醸造」と表示されています。
再度申し上げますが、味噌󠄀を買う時は、「国産大豆」「国産米」を使った「天然醸造・長期熟成」の「無添加の生味噌」を選ぶことがベストチョイスなんです。
まとめ
味噌は大豆と塩と麹菌、酵母などの微生物で発酵させて作られる日本の伝統的な調味料です。
味噌に含まれる微生物の一部は、炭水化物を発酵する際に水素を生成することがわかっています。
水素は、抗酸化作用や炎症を抑制する効果がありますので、健康や美容に良いとされているんです。
また、味噌󠄀の消化・吸収する能力の向上効果が、消化しにくい食物繊維の消化を促進してくれるので、腸の中で水素を発生させやすくもなるんです。
水素は非常に小さな分子であるため、体内に取り込まれやすく、細胞内に浸透しやすいという素晴らしい特徴があります。
発生した水素は血液中に入り、脳を始めカラダの隅々にまで行き渡り、酸化ダメージを強力な抗酸化パワーで改善してくれます。
味噌汁を一日一回飲むだけで、健康への道がさらなる道へと繋がっていくわけなんですね。
水素の効果については以前の記事にありますので、ぜひ寄り道して下さい。
健康に気を配るのであれば、まずは「腸内環境のバランス」、そして食べるものへの意識改革が必要かと思います。
味噌󠄀には驚くほどたくさんの健康効果がありましたが、本物の味噌󠄀と出会わなければその効果を味わうことはできません。
健康や美味しさを追求する方は、ぜひ本物の味噌を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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