夏の訪れとともに、気温が上昇し、暑い季節が到来します。そんな時、私たちの救世主となるのがプールですよね♪
涼しく清涼な水の中で遊び、熱い日差しを忘れることができるプール。
子供はもちろん、家族や友人との楽しい時間を過ごす場所であり、リフレッシュするためのオアシスです。
しかし、そんなプールにも気をつけなければならない危険が潜んでいます。特に塩素の使用に伴う注意点や感染リスクについて正しく理解することは重要です。

今回は、プールを安全に楽しむために知っておきたいポイントをお伝えします。
- プールの水質に不安を持っている方
- プールで感染する病気を知りたい方
- 家庭用プールを新調したい方
- 安心・安全な家庭用プールを子供に提供したい方
プールに塩素は何のため?
まず、塩素という言葉を聞くと、多くの人がプールの消毒や水道水の処理に関連づけて、毒性の問題を思い浮かべるかもしれません。
確かに、塩素には毒性が存在します。特に炭素と塩素が結びついた化合物は、しばしば有毒な性質を持つことがあります。
しかし、なぜプールや水道水にそうした物質が使用されるのでしょうか?
その答えは、安全性を確保するためです。
水には肉眼では見えない細菌や原虫などの微生物が存在し、私たちの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ごくまれではありますが、脳を侵すアメーバなども存在します(日本ではほとんど報告されていませんが)。
こうした病原性の微生物を排除するために、塩素や塩素化合物が使用されているのです。
プールでは、適切な濃度の塩素が水中に添加され、微生物を殺菌して衛生的な環境を保ちます。
また、水道水の場合は、浄水の過程で生じるトリハロメタンなどの塩素化合物が微生物を除去し、水の安全性を確保する役割を果たしています。
水道水の安全基準は、ミネラルウォーターよりも厳格な基準が設けられているのもそのためです。
これらの対策により、私たちは安全な水を利用できるのです。
安全な水の供給と健康維持のために、塩素の役割は重要なんです。
プールで感染する病気
次にプールで感染する可能性のある病気についてお話しします。
プールの水はしばしば下痢や体についた便の残りなどで汚染されていることがあります。もちろん、プールの水は塩素で消毒されており、多くの病原体は死滅していますが、中には強靭なものも存在します。
その代表的なものがノロウイルスと※クリプトスポリジウムです。ノロウイルスは食中毒や腸風邪を引き起こすウイルスとして広く知られています。このウイルスは非常に感染力が強く、ごくわずかな量でも感染や症状の発現が起こり、さらに症状が治まっても実は便の中に2週間近く生存し続けるため、プール内で下痢便が付着したり、便の漏れがあるとプールがこのウイルスに汚染され、感染のリスクが高まります。
もうひとつの病原体であるクリプトスポリジウムは、あまり聞き慣れないかもしれません。実は、この病原体は豚や牛、犬、猫、ネズミなどの動物にも感染する人畜共通のものなのです。
以前、新聞で報道された事例がありましたが、山の中の沢で水を飲んだ後に激しい下痢を起こした人がいました。調査の結果、その人はクリプトスポリジウムに感染していたことが判明しました。どうやら、クリプトスポリジウムを保有していた山の動物(おそらくネズミ)が沢で排便していたようです。
問題なのは、このクリプトスポリジウムが塩素では死滅しないということです。つまり、沢の水が川に流れ込み、上水道で消毒されずに家庭の飲料水に混入する可能性があるということです。ただし、水を70度以上に加熱すれば安心です。
数年前には、日本でもクリプトスポリジウムを保有した人がプールに入ったことが原因で集団感染が起こった例がありました。この感染による症状は、水様性の下痢が何度も繰り返される非常に重いものでした。
その他にも、プールで感染する可能性のある病原性大腸菌、レジオネラ属菌などや、皮膚疾患である「水いぼ」や「とびひ」なども存在します。これらの多くの病気は、皆さんの心がけによって予防できるのです。
以下の点に気を付けて、夏を楽しんでください。
- 自分が下痢や体調不良のときは、プールに入らないようにしましょう。
- 下痢が治ってからも、ノロウイルスやクリプトスポリジウムに感染した経験がある場合は、しばらくの間はプールに入らないようにしましょう。
- プールの水は決して飲まないでください。
- プールに入る前には、しっかりと体を洗いましょう。
- 特に子供の場合は、肛門周辺を十分に清潔にすることが重要です。トイレやおむつ交換後は、石鹸と水で手をよく洗いましょう。
- おむつの交換は指定された場所で行い、プールサイドでは行わないようにしましょう。
- 小さな子供はこまめにトイレに連れて行き、おむつの状態を確認しましょう。
- タオルなどの共有は避けるようにしましょう。
これらの対策を守ることで、プールでの感染リスクを低減することができます。
自宅プールでもきっちり対策
幼いお子様がいる家庭や、ペットのワンちゃんが水浴びをするとき、または時間が限られている場合など、自宅で手軽に楽しめる簡易プールは非常に便利ですね。
ただ、お子様やペットの健康と安全を考慮して、ご家庭で簡易プールを使用する際の水の消毒方法について悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
厚生労働省の指針によると、「遊泳用プールの衛生基準」では、プールの塩素濃度を「0.4〜1.0ppm」の範囲に維持することが推奨されています。この基準は、学校のプールや公共施設の小規模プールなどでも使用されており、塩素系の消毒剤を使用して衛生管理が行われています。
このような基準を参考に、自宅でのプール使用時にも塩素系の消毒剤を利用して衛生管理を行うことがおすすめです。
適切な塩素濃度を維持するために、市販の塩素処理剤を適量使用し、プールのサイズに合わせて処理します。
簡易プールの水を消毒する方法として、以下の手順が一般的です。
最初に、プールの容量に合わせた適量の塩素処理剤を用意します。市販の塩素処理剤を使用するか、プール用の塩素タブレット・パウダーを使うことができます。
おすすめ塩素系消毒剤
ご家庭でプールで使用する場合におすすめの塩素系消毒剤は、ピューラックスS(600ml)です。
ピューラックスSは、消毒剤として広く使用されている次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした製品です。その優れた殺菌効果と安全性から、医療現場や食品業界、福祉施設などで広く利用されています。
家庭用プールに特化したジアラスター/サイズは家庭用プールの小型・大型のそれぞれ2タイプ、計4種類を発売しています。
ジアラスターは、プールの水質管理に便利なタブレット状の消毒剤です。プールの大きさに合わせて必要な個数のタブレットを投入するだけで使用できますので、煩わしい計量作業は不要です。小さなお子様のいる家庭など、プールのぬめりやニオイが気になる方にもおすすめです。
水質簡単チェッカー
次に、実際に推奨されている塩素濃度の範囲内にあるかどうかが気になるところです。
こちらのジアラスターの水質チェッカーは、小型や大型のプールだけでなく、お風呂や温泉など、さまざまな場所で水質検査ができる優れものです。
その使用方法は非常に簡単です。
水にジアラスターを浸け、15〜30秒ほど待つだけで、塩素濃度、pH値、Mアルカリ度の3つの要素を一度に測定することができます。ホテルや温泉などの水質が気になる方にもおすすめです。

プール以外でも使えるので無駄になりません。
プールの水交換のタイミング
次に気になるところがプールの水を入れ替えるタイミング。
実際には、毎回プールを洗浄し、新しい水に入れ替えることが望ましいとされていますが、その作業には労力と時間、そして水道代の負担も発生してきます。
このような点を考慮すると、毎回の水の入れ替えは負担が大きい部分もあります。そこで、代替策として、水質管理や処理剤の使用によって水を長期間使用する方法もあります。ジアラスターのような製品を使用することで、プールの水質を安定させることができます。
ジアラスターは、毎日の使用により最大で10日間の水替えが不要とされています。遊泳する場合は、遊泳前(30分から1時間前)と遊泳後の各タイミングで規定量のジアラスターを1回分投入してください。遊泳しない場合でも、毎日規定量のジアラスターを1回分投入してください。このような使い方により、プールの水質を安定させ、定期的な水の交換を最大10日間まで延ばすことができます。
さらに用心を重ねたい方には、「水循環用フィルターポンプ」がおすすめです。
この装置を使うことで、プールの水を効果的に循環させ、浄化することができます。水循環用フィルターポンプは、プールの水をポンプでくみ上げ、フィルターを通して清潔化し、再びプールに戻す仕組みです。
これにより、汚れや不純物を取り除き、水質を良好な状態に保つことができます。特に長時間の使用や頻繁な使用が予想される場合、水循環用フィルターポンプを導入することで、水を清潔に保ちながら、水替えの頻度を減らすことができます。
水循環用フィルターポンプは、労力や時間を節約するだけでなく、水道代の削減にもつながります。
また、プールの水質を安定させ、清潔で快適なプール環境を維持するために効果的なツールです。
最後に、塩素系の消毒剤に不安や体に合わない方におすすめの除菌剤があります。
ノンアルコールのプール除菌剤は、主に銀イオンや次亜塩素酸ナトリウムなどの成分を活用しています。これらの成分は、微生物や細菌の増殖を抑制し、プールの水を除菌する効果があります。
特に塩素に敏感な方やアレルギーを持つ方にとって、ノンアルコールで塩素不使用の除菌剤は優れた選択肢となります。塩素による刺激や匂いを気にせずにプールを楽しむことができます。
おすすめ家庭用プール
一部の空気を入れるタイプのビニールプールでは、耐久性の問題が顕在化しています。新しいプールを購入してもシーズン終了までに穴が開いてしまい、利用できなくなってしまうという苦い経験を経てきている方も少なくないでしょう。
そこで、プール選びの重要性が浮き彫りになってきます。プールを選ぶ際には、耐久性を重視することをおすすめします。
耐久性があるプールであれば、穴が開くリスクが低くなり、長期間にわたって使用することができます。
単年の費用面を考えれば高くつきますが、何年も使用していきたい方にはおすすめです。
これにより、プールを購入してからの満足度が大幅に向上し、プールを楽しむ時間も増えるでしょう。
また、水質の維持や虫やごみの侵入対策には欠かせない要素であるプールカバーも参考に。
このカバーはこのプールのサイズにしか合いませんのでご注意下さい。
代用品としてブルーシートなどでも大丈夫です。風で飛んでいかないようにだけ注意すればOK。雨が降ると分かっていればプールごとしまう方がいいでしょう。
周辺機材
大型の家庭用プールに限らず、プールの高さは思っている以上にありますので、小さなお子さんにとってはプールへの出入りが難しい場合があります。
特にハシゴのないプールでは、安全な出入りが困難です。ハシゴの設置で、安全かつ独立してプールに入ったり出たりすることができます。
家庭用プールの利用時には、必ずハシゴの設置を検討し、安全対策を徹底しましょう。お子さんの安全を第一に考えることが大切です。
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最後に
今回は、プールでの塩素の重要性や感染症への対策、さらにおすすめの家庭用プールについてまとめました。
プールでの楽しいひとときは、日常の喧騒やストレスから解放され、心を軽やかにしてくれます。
お子さんにとっても素敵な思い出となるよう、安心で安全な水質管理を行うことは、親の大切な役割です。
これらの予防策を守ることで、プールでの感染症リスクを大幅に減らすことができます。
みなさん、楽しい夏をお過ごしください。
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