滋賀の甲賀に大寒波襲来です!
10数年に1度の大寒波が襲来。(2023年1月24日〜)
場所は滋賀県の南東部で、昔から大雪には見舞われない地域なのですが…。
報道では、新名神高速道路の「三重県の菰野(こもの)IC 〜 滋賀県の甲賀土山IC間」の下り線で、大雪のため通行止めとの情報が発信されていました。(鈴鹿峠)
雪の量と気温の低さが尋常でなく、周辺の一般道路も走行不能状態となり、瞬く間に車やトラックの大行列。
近年立て続けに発生した新潟と福井の「缶詰立ち往生」が、今年は滋賀の新名神高速道路で発生!
距離にして34.5km。
これは高速道路で発生した大雪による立ち往生の最長記録で、28時間もこの状態が続きました。
軽油凍結でエンジンがかからない
当時の早朝の気温はマイナス12℃。
物流企業に勤める私は大寒波のなか出社するも、大雪の影響で取引先が休みを決定されたこともあって、当社も休むことに。
念のため全車両を30分ほど暖機運転したのち帰宅します。
━翌日、出社してきたドライバーが各自で暖機運転をしますが、かかりきらないトラックが1台。
キーをまわすと、ブォーンとエンジンはかかるのですが、数秒でプスプスプス…
切れてしまいます。
何度やっても結果は同じ、燃料の量もバッテリーも異常はなし。
「どういうこと?」と首を傾げていると、当社のベテランドライバーがやってきて耳を疑う言葉を口にします。
「エンジン止まるやろ。軽油が凍っとんぞ。」と。
「え?」
皆「…ケイユ…コオ…ット…ンゾゥ?」😯
ベテラン「軽油は凍ったらもうおしまい。日が照って溶けるのを待たないとエンジンはかからん。」と。
軽油が凍る? ということを初めて知りました。
寒さの影響を受けて含有するワックス分が結晶化するから、ということらしいです。
氷のようにカチコチに凍るのとは違い、みぞれのようなシャーベット状態になるのだそう。それでエンジンに燃料が供給されなくなるんですって。
みなさん知ってました?
軽油には地域別に種類があった
まず、軽油っていうのは「5種類」に分類されていて、地域や季節に合わせて販売されているそうです。
北海道から沖縄まで、季節に応じて細かく分類されていました。
今回の当社の場合、【近畿】の【1月】で【2号】に該当しています。
【2号】ってどんな軽油だったんでしょうか?
内訳は、【特1号/1号/2号/3号/特3号】というのがありまして、「低温での軽油の流動性に違い」があるみたいですね。
一定の外気温になれば凍りますよ!(凝固)、という値が設定されていて、下図を見てもらえば分かりますが、 2号の流動点がマイナス7.5℃に設定されていました。
当時マイナス12℃だったので5℃近くオーバーしています。
この環境下で、長時間トラックを停めていると軽油が凍ってしまう可能性がある、ということなんです。
「じゃあ全て特3号にすれば凍結しないのでは?」と考えてしまうところですが、
残念ながら、製造時のコストが高いことと、パワー・燃費の性能が落ちてしまうという負の面があるため、このように分類されているようなのです。
トラックに限らず、ディーゼルの自家用車に乗っておられる方は是非とも知っておくべき情報ですね。
大雨や大雪、低気温など極端な天候が頻発してしまう背景には、地球温暖化の影響もひとつの要因にあるようで、
今後の日本の気象状況を考えると、設定の見直しを視野に入れてもらった方がいいかも知れません。
軽油凍結防止方法
では、軽油の凝固を事前に回避する方法ってあるの?
と考える人は多いと思います。
実は、軽油用の「凍結防止剤」という便利な代物が普及していました。
ホームセンターで、2〜300mlで500円から3,000円位の価格で販売しています。
【2号】軽油にブレンドすれば凍結温度はマイナス17℃までに引き下げる事が可能で、前もって準備していれば今回の事態は避けられていました。
軽油が凍結した時の対処法
もし、凍結してしまったあとであれば、次のような対処法があるので参考にして下さい。
- 外気温の上昇を待つ
- 燃料フィルターや配管に湯をかける(一時的にかかる程度)
- JAFや保険会社に依頼する
対処法ってこれくらいしかないんです。
凍結した時の面倒くささを考えると、事前に準備した方が断然いいですね♪
冬場の北国への移動は要注意
冬場のディーゼル車の移動の際は、軽油の凍結を視野に入れた計画ドライブが必要になります。
旅行や出張などで目的地が寒冷地の場合、現地のガソリンスタンドで給油できるように調整しておかないと、翌朝エンジンがかからなくなる可能性がでてきます。
慣れない土地で朝からエンジントラブルに見舞われたくありませんからね。
寒冷地に行く際は現地給油
今回は、身近で起こった「軽油凍結」の話でしたが、
この話、知ってる方は「何を今更ばなし」でしょうが、
知らなかった方も結構おられたのではないでしょうか?
よかったら身近な人に是非聞いてみて下さい♪😙
ちなみにガソリンは凍結しません。(マイナス100℃で凍ります)
この季節の必需品!ディーゼル車のオーナーさんや運送事業者の方へ
気候変動で寒波のレベルが変わってます。
もしものためにキープしてみては?↓
- ノンフリーズを添加するとマイナス20℃まで凍結しません。
- 濃縮タイプなので、1本あれば複数回使えます。
- 100リットルの軽油に対してノンフリーズ100mlを添加してください。 先にノンフリーズをタンクに入れ、あとで軽油を給油することで混合できます。
軽油凍結防止剤、事業者様用にケース単位でも販売しています!
- 燃料が凍結する前にご使用下さい。凍結した燃料を解凍する効果はありません。
- 軽油を補充する前に添加して下さい。軽油が満タン状態に添加しても、効果がでない可能性があります。
- 1リットルの軽油に対して、防止剤1ml添加する計算でOKです。
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