2020年8月末に閉店した百貨店「西武大津店」を舞台にした短編小説が、2021年の第20回「女による女のためのR-18文学賞」を受賞。
タイトルは、
「ありがとう西武大津店」
舞台は滋賀県大津市、閉店前の1か月間、女子中学生が地元テレビ局の中継に映り込む目的で店に通ううち、テレビを見た地元の人たちから声をかけられ、様々な縁が生まれていくストーリー。
「女による女のためのR-18文学賞」とは、新潮社主催の新人文学賞で、選考委員は作家の三浦しをんさん、辻村深月さんら。
大賞のほか、お笑いタレントの友近さんが選ぶ「友近賞」、読者投票による「読者賞」があり、宮島さんの作品はこの3部門全てを受賞されるという、初の快挙となりました。
そしてこのたび、「ありがとう西武大津店」を含む連作短編集である、
『成瀬は天下を取りにいく』
通称『成天』が、2023年3月17日に新潮社より発売されました!
著者は宮島未奈さん、念願の作家デビュー作品になります♪
↓シリーズ第2弾はコチラ
青春小説『成瀬は天下を取りにいく』内容紹介
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ過、閉店を控える西武大津店に毎日通い、ローカル局の中継に映るというのだが───。
成瀬あかり(主人公)ー 滋賀県大津市で生まれ育つ。島崎曰く一人で何でもできてしまうがゆえ、他人の目を気にすることなくマイペースに生きている。いつもスケールの大きなことを言うが、日頃から口に出して種をまいておくのが大事だという考えを持っており、たとえ目標に届かなくても落ち込まない。もちろん目標達成することも多数で、かつては天才シャボン玉少女としてローカル番組で名を馳せたことも。将来の夢は、二百歳まで生きること。
島崎みゆき (親友) ー 自称成瀬と同じマンションに生まれついた凡人。成瀬家とは家族ぐるみの付き合いがある。私立あけび幼稚園に通う頃から、成瀬あかり史の大部分を見てきたという自負があり、成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。コミュニケーション能力が高く、友人も多い。両親は県外出身。
6つの章で構成されるこの作品は、中学生から高校生の期間で物語は進んでいき、親友の島崎目線で描かれるストーリーで始まります。
成長していくにつれ、様々な人との出会いが面白おかしく描かれ、主人公あかりのファンになる確率は非常に高い♪
筆者感想
滋賀県民ですが、そんなことは関係なく「面白かった〜」の一言。
地元民でしか分からない場所が出てきますので、風景などが想像しやすい利点がありましたが、意外と関係ないと思います。
大きな事件などの見せ場があるわけでもないですが、ワクワクしたり、また声を出して笑ったりする場面にも多く出くわします。
グググっとこの世界に入っていける小説。
相性抜群の「変人・凡人コンビ」、我が道を行く主人公・成瀬あかりに巻き込まれる周囲の人物が、それに影響されて行動していくワクワク展開。
ナチュラルで心地よい感覚で同調できる、一風変わった「青春小説」でした。
それでいて笑いも涙も感動もあります。
まさに、「かつてなく最高の主人公、現る!」です。
読み終えたら、フットワークが軽くなって行動力が増すはず。
とにかく面白いので、是非是非一読されてみてはいかがでしょうか♪
著名人12名の推薦コメント
各界の多数の著名人から絶賛の声が続々と集まった影響で、海外翻訳家のオファーも殺到中とのこと!
著者紹介
宮島未奈さん(ミヤジマ・ミナ)
1983年静岡県富士市生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。
2018年「二位の君」で第196回コバルト短編小説新人賞を受賞(宮島ムー名義)。
2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。
同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』がデビュー作。
3月17日のデビュー当日、宮島さんが県知事に表敬訪問された際のコメントです。
作家になるのは小さいころからの夢でした。今日の午前中、書店に自分の本が並んでいるのを見て胸がいっぱいになりました。滋賀県内のみならず全国各地、さらには海外でたくさんの人に読まれることを願っています。
NHK大津放送局のニュースより
夢が叶ってよかったですね♪
宮島さんのことをもっと詳しく知りたい方はこちら↓
まとめ
『成瀬は天下を取りにいく』は滋賀県大津市在住の宮島未奈さんのデビュー作品です。
青春小説の傑作の一つになる素晴らしい作品でした。
早くもアニメ化を推すレビューが続々と挙がっております。
現在、作品の続編に取り掛かっておられるそうなので、またまた成瀬と島崎が見れると思うとホッとします。
新刊が待ち遠しいですね♪
コメント