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【パワハラ疑惑続編】滋賀・甲賀消防 ワクチン未接種者への対応問題 5年で26名退職の謎…

たくさんの人が団結するように手を合わせています 時事ハイライト
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今回は滋賀・甲賀消防のコロナハラスメント問題、その後の情報をお伝えします。

(2023年6月発覚→2023年7月現在)

発覚してから既に1か月が経過しましたが、少しずつその全体像が明らかになりつつあります。

当初は内部での調査委員会が組まれる予定でしたが、懸念される内部対応の偏りを避けるため、第三者委員会が設置されています。

この決定は、公正かつ客観的な調査を行う上で非常に重要な一歩でした。

具体的な問題の内容や背景については、まだ完全に明らかになっていませんが、徐々に情報が開示されています。被害者や関係者からの証言や証拠が収集され、真相解明に向けた調査が進行中です。

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パワハラ問題の発端

この問題は、2023年6月上旬に投書によって明るみに出た報道なのですが、その発端は2年前にさかのぼります。

「甲賀広域行政組合消防本部」によれば、令和3年4月に行われた初回のワクチン接種時に、警防課の30代の職員が上司に対して接種を拒否する意向を伝えました。

その理由は、過去にインフルエンザのワクチン接種で副反応が起きたため、ということでした。

この職員の接種拒否に対して、消防本部は同年5月から様々な措置を取ることになります。

30代の職員を他の職員とは別のスペースで業務させたり、更衣室の利用を制限したりするなどの措置を実施。さらに、ほかの職員らと接触させないように求める「接種拒否者への業務区別」という文書を作成、全職員(200名程度)に回覧するなどの対応をとっていたとのこと。

この職員は4ヶ月後依願退職されたそうです。

6月2日の会見で消防本部は、ちょうど感染が拡大する第4波の真っただ中であったため、「職員が不快、鬱屈した心情があったとすれば配慮が必要だったかもしれない」とする一方で、「新型コロナは当時、未知のウイルスとして捉えられており、消防という職をかんがみ全職員が接種するものと考えていた」とし、対応の正当性を主張していました。

消防本部は正しい対策をとっていたという認識です。

そこで消防本部の幹部たちは、6月中旬に対応を再検証するための委員会を設置する意向を示しました。

そのメンバーが消防幹部5人と、滋賀弁護士会から推薦を受けた弁護士と市民代表の計7人で再検証するとしていましたが、報道陣から委員を一新すべきではないかとの質問があり、再度検討するとしていました。(当然でしょう

このような流れが6月上旬の話です。

前回の記事を見てもらえれば、違和感と矛盾が入り交じった会見内容であることがよく分かります。

前回の記事↓

コチラは同じ時期に報道された、同じ滋賀県内の別の消防署のハラスメント事件です ↓

https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20230523/2060013317.html

当初は、昨年12月の内部検証により「問題はなかった」と結論付けた消防幹部たちが再検証を行う予定でしたが、結局、公平性を確保するためにメンバーを一新し、第三者のみで構成することになりました。

委員会のメンバーは以下の6人で構成されます

第三者委員会メンバー
  • 新川達郎さん(同志社大名誉教授・公共政策論)
  • 相馬宏行弁護士(滋賀弁護士会推薦)
  • 堀郁子さん(同組合監査委員・甲賀市議)
  • 立石豊さん(シンコーメタリコン社長)
  • 松原峰生さん(県甲賀健康福祉事務所長)
  • 堀井とよみさん(京都看護大名誉教授)

―の6人。

その1年後…4回目ワクチンの未接種者に対しても…

30代職員が退職された約1年後、4回目のワクチン接種時において、またしても同様の内容で3名の退職者が発生していたことが報告されています。

その時の記事内容がこちら↓

関係者や本部によると、22年8~9月の4回目接種で、

  • 通信指令課の再任用の60代男性職員
  • 予防課の30代男性職員
  • 湖南中央消防署の20代男性職員

――が副反応への懸念から接種しない意向を伝えた。

その後、本部の対応への不満などから全員が退職したという。

通信指令課の職員は、幹部らとワクチン接種について複数回面談した後、同9月末に退職した。職員によると、「打たないのなら、(消防を)辞めないといけないのか」と聞くと、「(職場に)いるのなら、打ってください」などと言われたという。この職員は「接種を受けない職員は辞めざるを得ない状況だった」と訴える。

予防課の職員は「警防課の職員が辞めて1年たっても、接種を理不尽に強いる組織の体質に失望した」と明かす。幹部からは「消防長は今までのやり方を通したいと思っている」「打たないなら、毎日ゴーグルをするなど他の職員とは違う感染対策を考えてくれ。ワクチンを打てば事は済む」などと言われたという。職員はこの面談の直後に体調を崩して適応障害と診断され、同9月末に退職した。

本部は22年12月、5回目接種の通知文書で、接種しない職員について「担当課及び所属長から接種するまで継続して必要性を説明し、ゴーグルの着用を義務づける」などと全職員に周知した。4回目以降の接種を受けなかった湖南中央消防署の職員は1人だけゴーグルの着用を求められ、23年3月末に退職した。

人権問題に詳しい川上詩朗弁護士(東京弁護士会)は文書に「接種するまで説得が続くということは、接種を強制されているとの心境を抱かせる恐れがある。ゴーグル着用の義務付けで未接種者が特定され、差別を生む危険性もある」と指摘する。 

本部の西澤卓也次長は取材に「クラスター(感染者集団)を出さないよう、組織として接種を要請したが、強制はしておらず、退職も求めていない」などと説明。一方で、「警防課の元職員への対応を第三者委員会で再検証する中で、退職した他の職員への対応についても検証してほしいと考えている」と話した。

6月23日付 毎日新聞より引用

消防本部はなぜ最初の会見でこの報告をしなかったのか。

一人の発覚時点でこの内容も告白すべきであるにもかかわらず。

根本的な原因として組織の文化や風土の問題がありそうです。組織の中でいじめやパワーハラスメントが起こる要因として、上下関係の歪みやコミュニケーションの不備が影響を与えることが多いそうです。

このような組織では、被害者が声を上げることが難しい状況であるので、第三者委員会の設置は重要な一歩と言えます。

公正かつ客観的な調査が実施され、真実が明らかにされることで、同様の問題の再発を防ぐための対策が講じられることを期待しています。

関係者の証言〜22年度の退職者は8人

元職員による証言を毎日新聞が取材していました。

元職員ら「閉鎖的で陰湿な職場環境」 「なぜ味方になってあげられなかったのか。申し訳ない」。2022年に新型コロナのワクチン接種を巡り退職した予防課の男性職員は、21年に業務区別を受けた警防課職員の退職後、自責の念を持ち続けてきた。毎日新聞の取材に「現役職員のためにも組織の体質が変わってほしい」と当時の状況を証言した。

男性はこの職員の様子について「トイレで泣いたり、『職場に行けない』と電話があり、同僚が迎えに行ったりしていた。見かねて『このままだと辞めますよ』と周囲に言っていた」と振り返る。

職員が一人で勤務させられた協議スペースは4階の入り口近くで「他にも空いている場所はあるのに、人通りの多い目立つ場所で働かせる必要があるのか」と疑問だった。内部文書には「組織の方針に逆らえばこうなる」という見せしめだと感じた。

更に本部は職員を新型コロナ患者の移送業務に携わらせた。「感染防止を名目に業務区別しているのに、一番感染の危険がある業務に従事させるのはおかしい」と話す。他の職員からも対応を疑問視する声が聞かれたという。

この職員が辞め、男性は組織への失望から退職を考えるようになった。自身もワクチンの中長期的な影響には不安があり、22年7月、4回目の接種を受けない意向を上司に伝えた。「個人の意志で決められるべき接種を組織から強いられる嫌悪感は想像を絶するものだった」と話す。

消防本部の22年度の退職者は男性を含めて8人に上る。本部は「ハラスメントの訴えはない」とするが、複数の職員や元職員が取材に「閉鎖的で陰湿な職場環境に耐えられずに辞めていく職員が多い」と話す。男性は「夢を持って消防の道を志した若手が退職していくのは市民にとっても損失。第三者による全職員へのアンケート調査を実施して、内情を明らかにしてほしい」と訴えた。

毎日新聞・村瀬優子さんの記事より引用

組織の権力に関して懸念が生じます。記事には、組織の方針に逆らうと厳しい対応があったと感じた職員の証言があり、業務区別や職務の配分においても、不適切な決定や疑問が浮かび上がっています。

組織の責任は、職場の安全で健全な環境を確保することであり、個人の尊厳と権利を尊重することにあります。

上司はリーダーシップの一環として、職員の声に耳を傾け、適切な措置を講じる責任を負っています。幹部は絶えず監視と改善を行い、職場内の権力の偏りや不正義を是正するためのメカニズムを構築することが仕事なのでは?と思うのですが…。 

公平な職場環境を実現するためには、上司や幹部の倫理と責任が重要視されますね。

ただ、一部の意見からは、職場環境の問題が必ずしも全体的なものではない可能性が示唆されます。

記事に掲載された証言や主張は限られた人々の意見であり、客観的な判断にはまだまだ追加の情報や証言が必要とされます。

また、記事の内容には偏りや主観が含まれている可能性があるため、全体像を把握するには広範な情報や調査が不可欠です。

そして、職場環境改善のためには問題点だけでなく具体的な解決策や改善案を提示することが求められます。

アンケート調査などの手法は一部の声に偏る可能性があるため、他の方法も検討すべきではないでしょうか。

まとめ

消防という特殊な職務と任意のワクチン接種の間で、消防本部が難しい対応を迫られたことは容易に想像できます。未接種者の退職が相次ぎ、消防本部は「優秀な職員が辞めてしまったことは非常に残念だ」と述べています。

しかし、昨年度だけで8人の退職者があり、過去5年間では計26人にも上ります。組織規模が約200人であることを考えると、かなりの数と言えます。また、一部の職員は消防本部の体制に不満を抱き、離職したと報告されています。

この問題の検証のため、第三者委員会では、職員の退職とワクチン接種に関連する一連の対応の因果関係を調査するだけでなく、消防本部内でのハラスメントの有無も検証する予定だということです。

表立ってはいませんが、このようなケースは全国にたくさん存在しているのではないでしょうか。

職場環境の問題やワクチン接種に関する対応で、多くの組織が難しい判断を迫られていたことが考えられます。

これらの問題は表面化していないケースが多く、影響が大きいにも関わらず注目を浴びずに済んでいるかもしれません。

このような状況を考慮すると、問題解決のためには透明性と公正性を重視した調査や対策が必要だと思います。

滋賀・甲賀消防のケースを通じて、全国の組織が類似の問題に直面している可能性を考えると、問題解決には個々の組織だけでなく、全体の視点と協力が求められます。

職場環境の改善や職員の福祉の確保に向けて、全国的な取り組みが進むことを期待しましょう。

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