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【物流2024年問題】きっかけは「働き方改革」 少子高齢化が招く様々な課題!

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「働き方改革関連法」は、2019年4月1日、大企業から順次施行されています。

ワーク・ライフ・バランスを重視した労働環境を構築することを目的とする「働き方改革」。

「働き方改革」は、なぜ必要なのでしょうか。

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「働き方改革関連法」制定の背景

第2次安倍政権発足直後から議論が始まり、2018年6月に国会でこの関連法が成立しました。

日本の現状は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方々のニーズの多様化」などの状況に直面しており、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

働き方改革関連法は9つの項目を軸に新しい労働環境を整備しようとしています。

働き方改革関連法の9つの概要
① 時間外労働の上限規制            
② 「勤務間インターバル制度」の導入促進
③ 年次有給休暇の確実な取得
④ 労働時間状況の客観的な把握
⑤ 「フレックスタイム制」の拡充
⑥ 「高度プロフェッショナル制度」の導入
⑦ 月60時間超残業に対する割増賃金率引き上げ  
⑧ 同一労働・同一賃金
⑨ 産業医の権限強化

・大企業では既に2019年4月1日を皮切りに順次施行され、今ではすべての項目で施行されています。

⑦ 月60時間超残業時間に対する割増賃金率引き上げは中小企業が2023年4月1日から施行

① 時間外労働の上限規制は一部の業種が2024年4月1日から施行

「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」

人口減少人手不足という言葉はずいぶん前から聞くワードです。

実際のところ日本の人口はいつから減少傾向を辿っているのか、現実を理解しておきましょう。

バブル期直前の1985年から現在、そして未来である30年後の2050年まで順を追って人口ピラミッドのグラフを見ていくことにします。

1985年の人口ピラミッド
(国立社会保障・人口問題研究所webより引用)

ブルーが示す15歳から65歳までの方が「社会を担う中核である」とされており、生産活動の中心にいる生産年齢層になります。

30代後半の層が第一次ベビーブーム、10代半ばの層が第二次ベビーブームの年代にあたります。

まさに人口ボーナス期ということがわかりやすい人口ピラミッドになっていますね。

生産年齢層が上下にある年少・老年の方々を支えていかなければならないことを念頭において、2020年の人口ピラミッドを見ていきましょう。

2020年の人口ピラミッド
(国立社会保障・人口問題研究所webより引用)

35年後の現在の日本の人口ピラミッドです。

第一次ベビーブーム層が前期老年人口に突入しており、年少人口だった第二次ベビーブーム層が生産年齢層のベテランの域に達しています。

上ぼそりの台形だった1985年に比べ緩やかな下ぼそりの台形に変化していることがわかります。

生産年齢人口に第二次ベビーブーム層がいるものの上下の支えられる人口の方が多くなり、生産者人口層の負担は大きくなりつつあります。

そしてこの表を見てわかるように第三次ベビーブームは到来していません。

実は、日本は1990年代から人口オーナス期に陥っています。

では今から30年後の2050年の人口ピラミッドを見てみましょう。

2050年の人口ピラミッド
(国立社会保障・人口問題研究所webより引用)

完全な下ぼそりの台形に変化したとともに総人口も相当の数が減少していることがわかります。

70代後半に第二次ベビーブーム世代が君臨しており、その下の世代は細る一方。

第二次ベビーブーム世代が生産人口層からいなくなるということは生産力の急激な低下、日本経済的にも大きな痛手となってしまいます。

世界各国も日本と同じような人口変化を辿りつつありますが、日本の「少子高齢化」は圧倒的に最先端を歩んでいます。

世界各国は先頭を行く日本の人口問題をどのように解決するのかを注目しており、解決すればそれを見習い、失敗すれば日本のようにならないように、と考えています。

労働力と非労働力の比較
(単位千人)

1970年から2020年の50年間で日本の総人口は8,000万人から1億1,000万人に増加しています。

しかし人口増加の山は2004年の1億2,784万人をピークに減少に転じています。

2050年には9,515万人になり、2100年には4,771万人(高齢化率40.6%)となる減少予想をされています。

「人口オーナス」と「人口ボーナス」

現在から未来の日本は人口オーナス期に入っています。

・人口オーナスとは、働く人よりも支えられる人の方が多くなる状況のことをいいます。

オーナス(onus)とは、「重荷、負担」という意味。

人口オーナスによって生じる問題としては、消費・貯蓄・投資などが停滞し、その結果経済成長も停滞します。

また生産年齢層が引退世代を支える社会保障制度の維持が困難になることです

人口ボーナスとは人口オーナスの反対です。

人口構成比の子供が減り、高齢者が少ない状態で生産年齢の人口が多くなった状態のことをいいます。

労働力が豊富なので社会保障費が少なく経済発展をしやすいとされています。

日本の人口ボーナス期は1960年代から始まり、90年代初頭に終わりました。

そして人口ボーナス期が終わるともう2度と訪れない、ということです。

労働者を「流動化させたくない」から「流動化させたい」への変化

第一次ベビーブーム世代が生産人口層になった1960年代、日本は「人口ボーナス期」に入ります。

その少し前、朝鮮戦争がきっかけで日本は高度経済成長期に突入。

消費は拡大し、経済は右肩上がりに成長するが深刻な人手不足に悩まされていました。

そこで企業は、新卒一括採用・終身雇用・年功序列の賃金体制の雇用形態で労働者を雇うようになってきます。

せっかく入社した人材を他に流動させたくない、という思いが詰まった手段です。

労働者からすれば入社すると定年まで働くことができ、長くいれば年功序列で賃金は上がる、

互いに得をする関係が出来上がることになります。

長時間労働を受け入れ、過重労働に耐え、その代償として賃金と雇用の安定を得る。

企業から見れば学校を出たばかりのリスクのある未熟練の人材に賃金と雇用を提供する一方、転勤や部署異動などを通じて一から教育し、熟練労働者に育て上げるという「裁量権」を手にする。

こういった雇用形態のことを「メンバーシップ型雇用」といいます。

どちらかといえば業務よりも組織に帰属するイメージがあります。

これは日本特有の雇用形態なんです。

これとは別に欧米などでは「ジョブ型雇用」といい、業務内容や勤務地・労働時間などが明確に定められており、専門的な知識と経験を求められる。

専門性を高めることによって担当範囲が広がりグレードが上がっていき収入が上がる。

この雇用形態は個人のスキルを企業に提供するという特徴があります。

日本は経済的危機が起こるたびに「メンバーシップ型雇用」の雇用形態ではいけない、「ジョブ型雇用」に変えるべきだ、との意見が飛び交いますが、現在でも日本の企業は「メンバーシップ型雇用」が多いのです。

さて、今回の「働き方改革」では副業やクラウドワークスを推奨し雇用システムを流動化させようと試みています。

いわゆる働く方々のニーズの多様化を目指し、子育て・介護との両立も図ろうとしています。

子を産んでも会社を退職しなくていい環境、介護をしなければならなくなった方へも同様のことが言えます。

人口減少の中で就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作り労働人口の増加を目指しています。

残業時間は減少でも労働時間は増えてしまう?

「働き方改革」は長時間労働の是正を重要課題として挙げています。

現在の日本は物価が上がり、労働賃金が約30年間ほぼ上がっていないという事実があります。

生活上の経費が多く出費されるのに対して、収入が変わらないのであれば時間外労働の上限を定めてしまうと収入は確実に減ってしまいます。

時間外労働をすることによって生活が成り立っている国民は多数おられます。

そもそも日常的に時間外労働をしなければならない企業自体がおかしい部分はありますが、現実問題としてそういった方は多数おられるということです。

これに当てはまる業種の代表格として運送業が挙がります。

2023年の4月からは月60時間超割増賃金、翌年4月からは時間外労働の上限規制が立て続けに施行されていきます。

短縮した時間で今まで通りの業務を処理しなければ、運送事業者にとっても運転手にとってもマイナスでしかないのです。

人材不足の中、より効率的に業務を行うことが求められているのです。

日本の経済発展とともに歩んできた運送業界に対しては厳しい法改正であることが伺えます。

先述しましたが、「働き方改革」では副業やクラウドワークスを推奨しています。

よって物価が上がり賃金も上がらないのであれば副業などを行って世帯収入を増やすしか対処方法はありません。

一方では、ワーク・ライフ・バランスを重視し、① 時間外労働の上限を定めたり、② 「勤務間インターバル制度」の導入を促進することで健康確保の面で強化を図っている、とあります。

ライフ・ワーク・バランスを優先に考えると、夫の家事育児の参加や夫婦間のやりとりが以前よりも増したり、毎日残業するよりも空いた時間を有意義に使うこともできます。

もちろん健康確保の面で見ても強化されているように思えます。

家庭と自分の人生のためになる、という考え方もあります。

しかし、あちらでは副業、こちらでは労働時間の短縮

根本的な矛盾を感じます。

あちらの副業を選べば以前の労働環境よりも精神・健康面で悪化する可能性があります。

一企業に対しての労働時間が短くなるだけで、副業で労働時間を分散するだけの話でしょう。

確かに経済力の強化面を考えれば、企業の生産性向上は労働時間を短くすることもひとつの手法ではあります、

が健康確保の面で強化を図っている、という文言には納得し難いと思えます。

この「働き方改革関連法」は労働者のワーク・ライフ・バランスよりも、経営・経済の利益を最優先したものだと理解できます。

経営者サイドに立つ者が主導で進めてきた背景があるので当然でしょう。

政府と使用者の副業意識

政府(経済産業省主導)に副業を推奨されているものの、副業を認めていない企業は78%(経団連2020年度調査)に上っています。

企業の回答は、多い回答から順番に

本業がおろそかになる  63.2%
情報漏洩のリスク  56.8%
競業・利益相反  49.5%
長時間労働につながる  41.1%
労務・労働時間管理上の不安  31.6%
人材流出のリスク  27.4%
労災基準が明確でない  15.8%
(2016年経済産業省委託による「働き方改革に関する企業の実態調査」)

企業(経団連)にとって副業はメリットなしの悪影響という認識です。

疲労による業務効率の低下や組織規律の乱れ、健康管理面での責任所在の問題。

また実際に製造技術が他国へ流出した産業スパイ事件も発生した過去がありました。

しかし政府(経済産業省)は、起業やイノベーションが進まない一因は、企業(経団連)が否定的なところにある、といい副業解禁を主張しています。

諸外国に比べ副業の比率が低いため、副業などを通じて外部の知見に触れ、人脈を広げればオープンイノベーションの実現や起業も進むといいます。

さらには第二の人生の準備としても有効であると主張しています。

この双方の主張を見る限り、政府(経済産業省)の思惑と企業(経団連)の実態との間には大きな落差があります。

この落差を解決することなく「働き方改革関連法」はもうすでに施行されているのです。

副業を認めていない78%の企業に勤めている労働者の選択は、『「働き方改革」の指針でもある就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮する労働環境』には今のままだと辿りつくこともできません。

大きな改革にはリスクはつきものだが、これはリスクでもなんでもなく、ただの見切り発車としか言いようがない。

まとめ

「働き方改革」を矛盾に感じてしまうことに問題があります。

労働者にとってあまりにも理想的な言葉がちりばめられた「働き方改革」であるため、逆に不信感さえ漂ってしまいます。

現場の意見すべてに耳をかたむければ改革にもならないが、政府の意図するものが上手く伝わっていない部分があるのは確かでしょう。

経済産業省のホームページを覗くとこのような文章があります。 

DX戦略を社会全体に普及するために、労働時間を短縮し、余った時間でリスキリングをする。「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを習得する / させること(経済産業省) 』

これが本質なのでしょう。

長時間労働の是正でワーク・ライフ・バランスを満喫される方もいるでしょうし、そうでない方もいる。

そうでない方は副業解禁を待ってリスキリングすれば新たな生活スタイルができるかもしれない。

「働き方改革」は政府と経団連が主導で進めてきた背景が強いのです。

企業が利益を上げ、労働者の賃金を上げ、そして消費が増えるというサイクル。

だからこその使用者サイドの目線が強い。

これは大きな国家戦略であることから、ぜひとも政労使一体となって取り組んでいって欲しいものです。

この記事を書いた人
びわおちゃん

☆1971年生まれ ☆滋賀県在住
☆物流系30年 ☆92'立命館大学卒
・滋賀県人の活躍を見るだけで感動して涙腺がゆるみがち。
・80歳まで働ける体を維持することを目指しています。
・情報リテラシーを尊重し、流言や同調性バイアスに惑わされない慎重な判断を重要視しています。
☆趣味:読書.ゴルフ.トレッキング.高校野球観戦. 

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