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【トヨタ】E∨市場へ前向きな姿勢の2022年 EVは正解?トヨタを取り巻く環境を振り返る

再生可能エネルギーと水素工場 時事ハイライト
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はじめに゜

冬のハイウェイをドライブするテスラのモデル3 ワインレッド色
テスラ Model3

EV化の波が凄まじい勢いの中で、トヨタ自動車を筆頭に日本自動車メーカー各社は欧米や中国にのまれた印象が強い。

メディアなどでは、「出遅れた日本メーカー」などとよくよく報じていましたね。

果たして出遅れという表現が正しいのか分かりませんが。

2021年度の電気自動車のメーカー別年間販売台数はトヨタが11.6万台で16位という結果に終わりました。

1位はテスラの93.6万台で、2位のBYD(中国)の59.3万台に大差をつける結果に。

3位は上海通用五菱汽車(中国)の45.6万台、4位はフォルクスワーゲンの31.9万台と続く。

2位のBYDの前年比は231%、3位の上海通用五菱汽車は前年比は167%と中国勢の躍進が際立つ年になったようです。

2022年も好調で、EVの世界販売に占める割合は中国のメーカーが4割を占める見込みで、米国メーカーが3割、欧州が2割と続き、日本メーカーは0.5割にも満たない状況です。

長い間 HV(ハイブリッド)の技術で自動車業界の主導権を握っていたトヨタでしたが、各国がEVへのシフトを始めた中で、どのような策略をもって世界に対抗していくのか気になるところですね。

ちなみに、EVを含めた全車種のメーカー別年間販売台数はフォルクスワーゲンに次ぐ2位でした。

VWの858万台に対しトヨタの823万台、「連結ベース」で見たランキングになりますが、「グループ会社ベース」で見るとトヨタグループが1位になるんです。

2022年度もほぼ1位が確定しており、3年連続でトップを守りそうです。

続々と異業種参入のEV市場

ソニーが自動車を作った!

ソニーのEV vision-s 01 ホワイトカラー
ソニー vision-s 01

2020年のはじめに米・ラスベガスで行われたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において発表された驚きのニュースでした。

ソニーグループはEV事業への本格参入を検討、自社の得意とするセンサー技術を駆使し映画や音楽などソフト分野のノウハウを詰め込んだサービスを提供する、としソニーモビリティ㈱を設立しました。

EVはガソリン車に比べ極端に部品点数が少なくなるため、部品のすり合わせ等の複雑な作業が必要でなくなります。

そのため非常に簡単に製造することができるのです

実際この時の試作車は、オーストリアの自動車部品メーカーのマグナ社と組んで生産したもので、生産技術の敷居が下がるという点から異業種の参入は当初から予想はされていました。

日本のビッグネーム「ソニー」の他には、ライバルのアップルやグーグル、インテルや中国検索サイト最大手のバイドゥや中国スマホ大手のシャオミ、台湾精密工業のホンハイなどは既に参入を表明してます。

また、自動車業界では電動化や自動運転などの※「CASE」と呼ばれる次世代技術に投資を集中させたり、このような異業種を含めた連携を強める動きも目立っています。

例えば米アップルが、韓国メーカーにEV生産委託したり、米インテルがBMWやグーグルと提携したりと様々なところで連携がなされています。

トヨタもパナソニックやソフトバンク、NTTやEV販売台数2位のBYD(中国)などと連携しており、これからも様々な異業種の参入は予想される中で、自動車業界の様相は大きく変わりつつあるのです。

CASE…コネクテッド(C)、自動運転(A)、カーシェアリングとサービス(S)、電気自動車(E)自動車業界の技術革新のキーワードの頭文字を取った造語

ソニーの目指すモビリティ

CESで完成度の高いEV「SONY VISION-S 01」を発表した2年後の2022年3月、ソニーグループ㈱と本田技研工業㈱は戦略的提携に向けて基本合意しました。

そことそこが一緒になったのか〜!とびっくりの発表でした。

同年9月には出資比率折半で「ソニー・ホンダモビリティ株式会社(Sony Honda Mobility Inc.)」を設立し、「多様な知で革新を追求し、人を動かす」を企業パーパスとし、2025年前半から先行受注を開始するとしています。

具体的にどのような車を作るかというと、EVの高付加価値化3Aを実現する最新テクノロジーを投入するとのこと。

Autonomy「進化する自律性」

特定条件下での自動運転レベル3搭載を目指し、市街地等での運転支援レベル2+の開発にも取組む。ハードウェアは高性能SoC*2を採用予定。

Augmentation「身体・時空間の拡張」

ユーザーに運転以外の楽しみを提供するサービスでリアルとバーチャルの世界を融合し、車内環境をエンタテインメント化させる。メタバースなどのデジタルをフル活用。

Affinity「人との強調、社会との共生」

車載ソフトからクラウド上のソフトまで一貫した統合的なフレームワークを用い、モビリティを移動サービスと捉えサービス全体のアーキテクチャを設計していく。

ハードをソフトでカバーし、ソフトの進化で快適と楽しみが増える。

う~ん…運転の概念が大きく変わってきてますね。

助手席にいればプレイステーションができたり、メタバースの世界に入り浸れたりできるわけですからきっと楽しいでしょう。

自動運転のレベルが3以上になってくればドライバーにもモビリティという概念が生まれますね。

まあ運転自体が好きな人にとってはそうじゃないかも知れませんが。

それにしても、ソニーはなぜホンダと組んだのでしょうか?

ソニーはホンダを含めて様々なメーカーからの連携を求められていたのですが、ソニーグループの吉田会長はこうおっしゃっていました。

「創業者同士が近い考えを共有し互いに影響し合っていた」

一方のホンダ三部社長は、

「歴史的、文化的にシンクロする両社」と、相性の良さを感じていたそうです。

かなり短い時間で戦略提携の合意に至ったのですが、その背景には両社の若者同士の交流も噛んでいるようです。

こうして日本のトップ企業同士が連携しEV市場に乗り込むわけですから、世界的に見ても注目度はかなり高いでしょうね。

そして2023年1月のテクノロジー展示会「CES」では新しいモビリティが展示されました。

ソニー・ホンダモビリティは2025年に発売を予定しているEVに「AFEELA」というブランド名をつけると発表しています。

ソニーとマグナ社で発表した「vision-s」に比べ、意外とシンプルな見た目になっており、私の第一印象は、人気が出るのかすこ〜し不安になってます。

ソニー・ホンダモビリティの川西社長は「スマートフォンのように外観がシンプルな世界観を狙っていきたい」と語っておられましたが。

デザインには相当迷われたそうで、見た目よりも中身で勝負といったところでしょうか。

トヨタ「全方位戦略」

一方のトヨタ自動車は「2030年までに全世界で30車種のEVを発売、年間350万台の販売を目指す!」と宣言し、「EV化に消極的」という周囲メディアのヤジを払拭したのは2021年のおわり。

この1ヶ月程前に「国際環境NGOグリーンピース」という団体が、自動車市場の80%を占める大手メーカー10社の「気候変動に関する目標と行動」を調査しました。

その結果、全ての企業が十分な行動をとっておらず、また十分な速度で変化していないことがわかりました。

その中で最も低い評価だったのが、世界のトップ企業トヨタ自動車だったのです。

この結果のあとトヨタ自動車は、すぐさま従来の200万台の販売目標設定から150万台上乗せした形となったわけです。

実際のところトヨタ内部でも疑問視するほどの数字でしたが、トヨタの豊田社長は強い口調で「前向き」というメッセージを強調されていました。

世界からはトヨタ潰しであの手この手と貶(おとし)められている中、

また同じ日本のメディアからも牽制するような報道をされ続けることに対して、苛立ちを隠せない様子がこの日の説明会での口調で伝わってきました。

豊田社長も孤軍奮闘でつらい状況ですよね-。

また、この団体の評価に関しては、さほど気にする必要はなかったと思うのですが、今後の戦略において株価への影響と、HV技術NO1の「環境=トヨタ」というブランドイメージの下落を避けたい場面だったと推測できます。

では実際にどのような内容で最下位の判定を下されたのか見ていきましょう。

NGOグリーンピースの評価

ちなみにグリーンピースの言う最下位の理由として挙げられたのは以下の4点。

①内燃機関の廃止時期未定

2020年の世界販売台数に占める排ガスゼロ車の比率が0.12%と最低レベル。また、2020年の全販売台数に占めるEVとFCV(燃料電池車)の販売台数の割合が最も少なかったメーカーだったこと。

②サプライチェーンの脱炭素化

トヨタはScience Based Targets(SBT)に参加していない。2050年までにカーボンニュートラルを実現することを約束したが、その道筋は明確ではなく気温上昇1.5℃未満に対応した炭素削減計画を示していない

SBT(Science Based Targets、科学と整合した目標設定)とは、パリ協定の水準に整合する、企業における温室効果ガス排出削減目標のこと。

③資源の持続可能性

トヨタは電池のリュース・リサイクルに努めているが、年間売上高に占めるEVの割合は非常に小さいためほとんど効果がない。

④温暖化対策へのロビー活動

トヨタは各国政府に対し、排ガス規制の緩和やICE車(化石燃料車)の廃止を加速させる法案にマイナスな影響を及ぼすロビー活動を行っていることが分かっている。

と…まあ、以上の4点が最下位の理由なのですが、極端な見方としか言いようがありません。

化石燃料を悪とし、EVを善、もしくは正義として扱っていますよね。

これもトヨタ包囲網の魂胆か、一部のEV株主の仕業なのかも知れません。

もしくは、今のEVが地球環境に優しいって本気で思っているのかも知れません。

〜これが真実!

EV化一辺倒の疑問

この後のトヨタはグリーンピースが嫌うガソリンを使用するHV(ハイブリッド)やPHV(プラグインハイブリッド)の生産も継続していく「全方位戦略」という方針を打ち出してます。

世界が同時にEV化の普及を加速させることに疑問と危険を感じていたからです。

EV化には温室効果ガスに対して問題や課題は今だもって解決していない部分がたくさんあります。

EVは走行時こそCO₂を排出しないものの、製造過程におけるCO₂の排出量はガソリン車に比べ、およそ倍くらいになるのです。

CO₂の排出量はEVを5〜10年使用してはじめてガソリン車に追いつくと言われています。

欧州や米国など廃車までに20万km以上走行するのが当たり前の国であれば、CO₂削減効果があります。

しかし日本のように走行距離が短く、10万km程度で廃車になるケースが多い国では削減効果は得られないと言われています。

それどころかかえってCO₂の排出量が増えるという結果にもなりかねないのです。

火力発電ではなく、再生可能エネルギーを使用した発電方法でない限り、EVとガソリン車の差はほとんどないと言っていいでしょう。

欧州連合などの再エネ発電の進化した地域には適していますが、現状ではそうでない国の方が多くあるという課題があるのです。

さらに、EV廃車後のバッテリーの廃棄方法にも問題もあります。

EVで使用するバッテリーはリチウムイオン電池を使っていますが、この原材料にはコバルトやニッケル、マンガン(レアメタル=希少金属)などが含まれているため、放置するようなことになれば人体や地球環境に悪影響を及ぼすリスクを持っています。

そのバッテリーをリュース・リサイクルする取組みもさほど進展はしていない中、中国や韓国では廃車後放置される問題が既に始まっているのです。

…ったく!

またレアメタル資源が採掘できる地域や産出量は限られているので、今後の普及次第ではバッテリー価格の高騰で車両価格にも影響してくる可能性があります。

実際に車両価格は高騰しました。

で、売れなくなると値下げしました。

で、高い時に買った人達が暴動を起こしました、中国で。

こうしてみると環境の分野だけ見ても、現在の状況では問題が後を絶ちません。

それらの問題については、自動車を生産しているメーカーは全て分かっているはずです。

ロビー活動のくだりを考えても分かると思いますが、トヨタはこうしたEV一辺倒の危険性を訴えていたに違いありません。

HVやPHVなどの低燃費車のCO₂の削減率は日本がぶっちぎりの1位でした、断トツです。

にも関わらず、EV=地球環境に良い、という決めつけで世界に発信しているのです。

全方位戦略の理由

トヨタの5代目プリウスシルバーメタリック3カット
トヨタ 5代目プリウス

トヨタは2030年までにEVの開発に4兆円、同時にハイブリッドや水素自動車にも4兆円の投資を決めました。

他メーカーと比較しても遜色ない投資額です。

トヨタの戦略はEVだけでなく、ハイブリッドや燃料電池車にも注力する「全方位」。

豊田社長はこの戦略の意図をこのように述べられています。

各国のエネルギー事情には変化がありますし、使われ方も色々と多様化しております。我々は全ての方に選択肢を残し、どこに選択肢を集中していくかというよりは、もう少し世の中の市場なり、お客様の動向が分かった段階でも素早く追随していく。多様な状況には多様なソリューションが必要であることはご理解して頂きたいと思います。平均的な人に対する最善策というのは、全ての人にとっての最善策ではないと思っております。ですから現在、正解がない。いわば不確実な時代に対しては、多様な解決策で臨ませてもらいたい。そしてその多様な解決策においてはどのメニューにおいても我々は一生懸命取り組んでおります。

(EV戦略における説明会より)

エネルギー事情や充電設備の設置状況は国ごとに異なります。

発展途上国では電気も通っていない国もあります。

トヨタはその地域の実情にあった車を投入しようとしており、そのためにはEV以外の選択肢が必要だ、ということです。

すなわち正解がない状態でEVだけに注力することは出来ないのです。

トヨタを取り巻く環境

欧州の地図虫眼鏡で拡大

欧州連合(EU)の策略

次世代自動車には環境保全を軸とした考え方が真っ先に求められるが、EV普及と同時進行していないのは明らかです。

EVの先走り感が否めない現在の自動車業界において、トヨタの「全方位戦略」は決して間違ってはいません。

正義が勝つとは言い切れませんが。

反対に欧州連合(EU)では「何が何でもEV普及」と言わんばかりの力の入れようで、ガソリン車はもちろんHVやPHVなどの低燃費車の販売も2035年には禁止という措置を決定しています。

化石燃料を使用する、また走行時にCO₂を排出する自動車は一切排除し、ZEV化(ゼロエミッション)する考えを示しました。

これはすなわち、日本のHVやPHVは将来的にEU諸国では販売出来なくなるということを意味しています。 

ゼロエミッション…環境を汚染したり、気候を混乱させる廃棄物を排出しないエンジン、モーター、しくみ、または、その他のエネルギー源

主要4極のガソリン車の新車販売禁止の動きが以下の通りになります。

  • 日本 2035年新車全て電動化
  • 中国 2035年新車全て電動化
  • 米国 2030年ガソリン50%↓
  • 欧連 2035年ガソ車・HV禁止

米国はHV、PHVを50%以上としている。

欧州連合にとって「脱炭素」が最優先事項で、環境問題先進国としての方針をしっかりと定めた風に見えるが、実際のところEVの主導権を握るための苦肉の策であることがわかります。

トヨタが1997年にプリウスを発表して以降、高度なHV技術で世界を席巻してきました。

技術ではどうしても追いつけない欧州メーカーは「クリーンディーゼル」を謳い文句に、HVにかわる新しい車で主導権を取ろうと目論んでいましたが、ものの見事に粉砕されてしまったという過去があります。

当時の欧州では大気汚染問題が深刻な状況で、「環境にやさしいディーゼル車」はCO₂排出量が少なく、環境問題の解決策として本命視されていました。

しかし2015年に発覚した「フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス不正事件」というスキャンダルでその信用は失墜。

欧州で52%のシェアがあったクリーンディーゼル車は28%に急降下し、その後やむなくEVへのシフトが急務になったのです。

欧州の自動車メーカーのマーケットは主に欧州と中国にあります。 

両地域ではEV需要が多いので、将来的に一本化する方針を固めたと推測します。

そうせざるを得ない状況だったということでしょう。

2035年以降の欧州では、日本のHVやPHVの販売を禁止することが確定しており、あと10数年の猶予があるはずでした。

そんな中で欧州委員会は、ライフサイクルでCO₂排出量を評価する「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の議論をし始めます。

原材料の調達から始まり、車を廃車するまでの全ての工程でどれだけCO₂を排出しているのかで、価値を決めるのです。

次から次へと日本メーカーに不利なことばっかり考えてます。

現在、EVのバッテリーは主に中国・韓国・日本が製造しており、EVの心臓部分をアジア勢が牛耳っています。

欧州連合はEVにシフトしても、バッテリーの利権がアジアに独占されることを避けるためLCAを利用し規制強化に踏み込むつもりでいるのです。

日本の電力は70%以上を火力発電でまかなっているため、より優れたバッテリーやEVを開発しても製造過程でCO₂を排出していては「全く話にならない」というスタンスで臨むつもりでいるらしい。

LCAを実質的に用いる時期は明確にはされていないが欧州議会では法案可決済みの状態です。

国内問題

トヨタのEV bz4z グレーメタリック正面から
トヨタのEV bz4x

インフラ問題

国内の問題は大きく見て2点あります。

まず1点が、なんといってもインフラ不足の問題が挙げられ、現在国内にある急速充電ステーションの数は約8,000基程度。

1994年のピーク時に6万件以上あったガソリンスタンドの数と比べて明らかに少ない数です。

近場移動ならまだしも、ちょっと遠出でもしようものなら、ハラハラドキドキしながら充電量とにらめっこしてステーションを探さなければなりません。

EVのバッテリーは気温の変化で性能が変わってきますので、冬などは綿密に計画を立てた上で走行しないと充電切れでレッカー車を呼ぶはめにもなりかねません。

自宅で充電できるとはいえ、満タンにするには10時間程度かかってしまい、ステーションなどの急速充電でも30分以上かかります。

別の車が充電していれば、それだけ待機時間もかさんできます。

ステーションが少ない上に時間がかかるのであれば、今EVに買い替えるのは躊躇してしまいますね。

サプライチェーン問題

2点目は、サプライヤーの問題が挙げられる。

先述しましたが、内燃機関が必要なくなるEVは部品点数が減る影響で自動車メーカーを支える部品メーカーの必要性がなくなることにあります。

EVメーカーの水平分業型と違い、垂直統合型のトヨタなどでは、開発から生産、販売まですべてをグループで行う生産形式です。

特徴的なのは「ケイレツ」と言われる完成車メーカーを頂点とした部品メーカーとの繋がりになります。

完成車メーカーが部品の仕様を決め、部品メーカーの一次仕入先に割り当て、一次仕入先は仕様を満たすため、2次仕入先以降の調達を実施し開発を進める。

ケイレツ会社間で役割分担を行い、連携し合い、互いに調整しながら組み合わせ、「すり合わせ型」の開発を進め、高い品質を維持していきます。

部品メーカーからすれば、完成車メーカーへの納入は確約されているので、見通しが立てやすいというメリットがあります。

リスクをいとわずに研究開発を進めることで、部品産業の競争力を高め、結果、自動車本体の完成度を向上させてきています。

「ケイレツ」は日本自動車メーカーが世界に躍進できた要因ですが、EVシフトはその「ケイレツ」の必要性がなくなる危険性があるということになります。

それ以外に、国内に工場を置くよりも海外に拠点を構えた方がコスト面では安くつくという懸念があります。

販売価格も抑えられ、メーカーが個だけを考えた場合のメリットはかなり大きい。

もし日本でなく他の国に拠点を移せば、自動車産業に関わる全労働者550万人の大半が職を失うことになってしまう。

トヨタを取り巻く環境は厳しいものがあり、今後の方針や決断には計り知れない責任が重くのしかかっているのです。

まとめ

トヨタの水素自動車ミライ ブルーメタリック
トヨタ FCVミライ

中国で2022年12月30日に広州モーターショーが開幕しました。

トヨタ自動車は中国のEV最大手「BYD」と共同開発した2023年前半に売りだす「bz3」を展示。

EV専用のbZシリーズにかける期待をにじませていました。

開発にあたり「BYD」は得意とするリチウムイオンバッテリーや電気制御系統などを主に担当し、トヨタからは生産、技術、品質管理などの分野から安全性能や耐久性を向上させています。

海外生産を含め年間350万台の販売を目指すトヨタにとって、EV本格参入がスタートします。

少し気になるニュースも↓

国内にもEV生産ラインを設ける検討に入っている。2025年にも増産体制をスタートする予定だが、生産規模は年間20万台程度まで膨らむ可能性があり、市場動向を見極めて計画を決定すると見られている。(朝日新聞)

サプライヤーにとってたちまちどうこうなる数字ではありませんが、今後の展開が気になります。

豊田社長は、「EV以外の選択肢を拡げようと動き続けているのは、日本の雇用と命を背負っているため

また、「カーボンニュートラルにおいて敵は炭素であり、内燃機関ではない」と話しています。

雇用を守るため内燃機関を残し、ガソリンに代わる炭素が排出されないクリーンな燃料を作ることで問題は解決するということを話されています。

そうです。

豊田社長の目標は「水素エンジン自動車」なんです。

エンジンを作る技術をないものにはしたくない気持ちがものすごく強いのです。

水素エンジンに否定的な意見が多く挙げられていますが、私はEVよりも遥かに可能性を感じています。

なぜなら、高性能なハイブリッド技術をトヨタは持っているからです。

2035年までのつなぎの技術とか話されている方々がいらっしゃいますが、そんなことはありません。

水素燃料電池車(FCV)や全固体電池などのこれまた凄い電池技術が先に出てくると思いますが、レアメタルを使用するため資源に限りがあり、こればかりに依存するわけにはいきません。

水素なら無限に近い物量があり、環境汚染の問題もEVと比べれば雲泥の差が現れます。

きっと水素ハイブリッド自動車が主流になる時代がくるでしょう。

現在、5合目まで開発が進んでいるとのことですが、最終的に世界をあっ!と驚かせて欲しいですね♪

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